テレワークでも使いやすいチャットツール5選 徹底比較と選び方
スピーディなコミュニケーションを実現するチャットの比較や選び方を解説
コロナ禍を契機に定着したテレワークでは、ビジネスチャットを使用する人が増加しました。作成に時間がかかってしまうメールや、相手の状況がわからずタイミングが難しい電話と比べ、要件を簡潔に伝えてスピーディにやりとりできる点が魅力です。今回のコラムでは、ビジネスチャットの基本機能、検討すべきポイント、代表的な5つのビジネスチャットの比較・選び方をご紹介します。
チャットツールの基本機能と、導入する際の検討ポイント
多くのチャットツールには、共通している基本機能があります。1対1のチャット、グループチャット、ファイル共有、検索、カレンダーなどです。加えて、各ツールによって異なる機能があり、有料プランにだけ含まれる機能もあります。メッセージの既読・未読、アンケート機能、在席確認(ステータスの表示)、他アプリやシステムとの連携などです。
基本機能に加え、製品ごとにオリジナルの機能もさまざまあるため、「どのチャットツールを選べばいいかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。チャットツールを選ぶ時は、次のようなポイントが重要です。
- 使いやすさ、なじみやすさはどうか?
- セキュリティが考慮されているか?
- 価格が予算に合っているか?(フリープラン、有料プランのどちらを選択するか?)
- チャット以外の機能がどの程度揃っているか?
このようなポイントを押さえて、チャット選びの方向性を決めておくことをおすすめします。それでは、5つの代表的なビジネスチャットツールについて、特徴や選び方をご紹介します。
ビジネスチャットツール5選 特徴と選び方
多彩なアプリや社内ソリューションと連携して使える:Slack
こんな企業におすすめ
さまざまなアプリと連携できるので、自社でカスタマイズして使いたい場合におすすめのチャットツールです。
特徴
- チャット機能に加えて、さまざまなアプリとの連携ができる
- Slackアプリディレクトリからは 2,400 を超えるアプリを選べる(無料版では最大10個のアプリをワークスペースに追加可能)
- メール、Twitter、Google、Skypeなどのツールだけでなく、社内で構築したソリューションとも連携可能
- 多くのセキュリティ認証を受けている
料金
0円(フリープラン)~月額1,600円(ビジネスプラスコース・年間契約)/1ユーザー
- 大規模ビジネス向けのEnterprise Gridは要問い合わせ
Word、Excel、PowerPointを使っているなら、これが最適:Microsoft Teams
こんな企業におすすめ
word、Excel、PowerPointを業務で活用している場合は、Microsoft Teamsがチャットツールの第一候補となるでしょう。会議、チャット、通話、共同作業をすべて 1か所で実現できます。
特徴
- Microsoft 365を導入していれば誰でも使えてオールインワン
- チャットだけでなく、通話の発信、受信が直接 Microsoft Teamsから行える
- グループ通話、クラウド ボイスメール、通話転送などの高度な機能も
- Word、Excel、PowerPointのビジネス文書の共同編集をリアルタイムで行うことができる
- Microsoftが採用している2要素認証、転送中や保存中のTeamsデータの暗号化などにより、セキュリティを確保
料金
無料版と有償版(Microsoft 365の1つとして提供)あり。
有償版 月額540円(Microsoft 365 Business Basic)~2,170円(Office 365 E3)/1ユーザー
- 法人向け契約。チャットを含むMicrosoft 365の価格
シンプルでわかりやすい機能を求めるなら:Chatwork
こんな企業におすすめ
ITが苦手なメンバーが多く、使いやすさを重視したい場合はChatworkを選ぶといいでしょう。
特徴
- 国産のチャットツールで、日本企業での導入実績が多い
- チャット、ビデオ・音声通話、タスク管理、ファイル管理の4機能が使える
- Backlog、マネーフォワード クラウド経費、Twitter、Gmail、Google カレンダーなどと連携し、通知を受け取れる
- 国際的なセキュリティ規格の取得、第三者機関によるセキュリティ監査の実施により、安全性を強化
料金
0円(フリープラン)~月額800円/1ユーザー(エンタープライズコース・年間契約)
スタンプを使ってカジュアルにチャットできる:LINE WORKS
こんな企業におすすめ
カジュアルな雰囲気で気軽にチャットしたい、という場合にはLINE WORKSが適しています。
特徴
- スタンプも使用でき、カジュアルにチャットができる
- LINEと同じ使い勝手であり、導入してすぐに使える
- 掲示板での社内周知、Driveの使用、DropboxからLINE WORKSへのファイル送信などもできる
- データセンターは日本国内にあり、データやバックアップは厳重に保管される。また、第三者機関の監査を受け、国際認証を取得
料金
0円(フリープラン)~月額1,000円(プレミアムコース・年間契約)/1ユーザー
Google Workspaceの機能をチャットと合わせて活用できる:Google Chat
こんな企業におすすめ
Gmailを使い慣れている、Google Workspaceを導入している、という場合はGoogle Chatを使うといいでしょう。
特徴
- Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドをメンバーと共同編集できる
- Google Meetを利用したオンライン会議も可能
- Googleの検索機能を使用して過去の会話やファイルを簡単に探せる
- 厳格なプライバシー基準とセキュリティ基準に沿って設計されている。また、Googleは複数の独立した第三者機関による監査を定期的に受けているので安心
料金
月額680円(Business Starter)~2,040円(Business Plus)/1ユーザー(※さらに機能が追加されたEnterpriseは要問い合わせ)
- チャットを含むGoogle Workspaceの価格
企業のニーズや予算に合わせて、最適なチャットツールを選ぶことが重要
ビジネスチャットには多くの拡張機能があり、会話でのコミュニケーションにとどまらず、さまざまなコンテンツを共有して作業が行えます。一方で、多様な機能を使いこなすためには、社内教育を行うなどの手間がかかることも。それぞれの目的に合ったチャットツールを選ぶことが大切です。
また、社外とのやりとりで多数のチャットツールを使っている場合、コミュニケーションが煩雑になってしまうケースもあります。Microsoft 365を導入している会社におすすめなのは、Microsoft Teamsを活用してツールを統一する方法です。多くの人が利用するWord、PowerPoint、Excelとの親和性があり、業務を効率的に進められます。
テレワークにおけるTeamsの詳しい活用方法は下記の記事でご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
ビジネスチャットツールについて、特徴や料金、おすすめポイントなどをご紹介しました。便利で使いやすくコミュニケーションスピードが速いチャットではありますが、注意も必要です。
例えばチャットでのコミュニケーションばかりに頼りすぎると、情報が散在して議論の結論があいまいになる、正確なニュアンスが伝わらず誤解を生む、といったことも起こりえます。
オフィシャルな文章が必要となる場合や、丁寧な説明が必要な時などは、メールや電話などと使い分けることが大切です。チャットを含めたビジネスコミュニケーションツールの使い分けに関しては、下記記事でご紹介しています。ぜひご参考になさってください。
- 本記事でご紹介した機能や価格は2021年7月現在の情報です。ご紹介した機能の一部は有料である場合があります。
- 記載の会社名・商品名などの固有名詞は各社の商標または登録商標です。