クラウドストレージとは? 導入ポイントやおすすめのサービスを比較!

テレワークやABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)が普及する中、業務効率化のためにさまざまなビジネスツールが使われています。中でも、簡単にファイルを共有・アクセスできるクラウドストレージの導入を検討している方も多いことでしょう。
クラウドストレージと一言で言っても、それぞれ特徴が異なるため、自社に合ったものを選んで使うことが重要です。今回は、クラウドストレージの基本機能やメリット、代表的な5つのサービスの特徴と選び方をご紹介します。
テレワークで活用されるクラウドストレージとは?
クラウドストレージとは、インターネット上にデータをアップロードして保管、共有するツールです。基本機能には「ストレージにあるデータのバックアップ」「ファイル転送」「ファイル共有」などがあります。インターネットの接続環境さえあれば、場所やデバイスを選ばずにアクセスでき、社内・社外の人とのデータ共有、編集が簡単にできます。大容量のファイルを共有するとき、メール添付ではデータ量の上限を考慮する必要がありますが、クラウドストレージを使えば大容量のデータもスムーズにやりとりできます。
セキュリティリスクが高いUSBメモリーやファイル共有サイトを利用したファイル共有はビジネス利用にはおすすめできません。しかし、クラウドストレージを使えば、認証されたユーザーだけがファイルにアクセスできるため、安全にファイルのやりとりが可能です。
クラウドサービスの普及状況
クラウドストレージは、モバイルワークやテレワークといった働き方が普及する中、業務効率化に貢献しています。
実際、総務省が発表している「令和3年版年版情報通信白書」によると、クラウドサービスを利用している企業は年々増加しており、2020年時点で約7割となっています。
出典:総務省|令和3年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向
また、この流れを加速させている他の要因は、政府が掲げる「クラウド・バイ・デフォルト原則」です。クラウド・バイ・デフォルトとは、今後、政府が新しい情報システムを導入する際、原則としてクラウドサービスの利用を第一候補にするという方針を指します。これにより、自治体でクラウド化が進み、企業のクラウド化にも影響を与えています。
クラウドストレージのメリットと注意点
クラウドストレージにより、社内・社外を問わず多くのメンバー間でファイルを共有し、共同作業ができるようになります。ファイルの一元管理ができ、複数人で編集や更新を重ねても最新版の状況が明確になるのもメリットです。
テレワークでは、「どのファイルが最新版か」「誰がファイルを更新したか」などがわかりにくくなるケースがありますが、クラウドストレージによる一元管理でファイルの取り違いも防げます。
また、重要なデータが遠隔地のセンターでバックアップされるため、災害対策、事業継続計画(BCP)、情報システムのバックアップ(DR対策)として有効なサービスです。
一方で、オンライン上に大切なデータや機密情報がある点は、リスクにもなりえます。サイバー攻撃の対象となったり、クラウドストレージのサービスが停止してデータにアクセスできなくなったり、といった万が一の事態もありえるからです。
セキュリティやバックアップ体制が整っているサービスを選び、使用者それぞれが各製品のセキュリティ機能を理解して使用することが大切になります。

クラウドストレージを選ぶ5つのポイント
クラウドストレージには多くの製品があり、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。以下では、比較検討する際のチェックポイントをご説明します。
5つのポイントのうちどの点に重きを置くかについては、導入前に検討する時間を設けるとよいでしょう。
自社で使用している業務アプリとの親和性
現在自社で導入しているアプリとの相性が悪い場合、ファイル共有のために膨大な工数がかかってしまう恐れがあります。
現在自社で使用しているアプリケーションに保存されているファイルをクラウドストレージで共有をする場合は、親和性を必ず確認しましょう。また、スマートフォンを使用する業務が多い場合は、業務用スマートフォンとの親和性もチェックしておくと安心です。
セキュリティ
企業の重要機密の漏えいは大損害につながる危険性があります。
クラウドストレージの導入の際は、セキュリティ対策についてもしっかりとチェックしましょう。自社のセキュリティ要件と比較し、満たすものを選択することで安全なファイル共有が可能となります。
データ容量・コスト
自社の業務で必要なデータ容量の確認も必要です。見積書や請求書といった書類の保存がメインなら少ないものでも十分ですが、高解像度の映像ファイルなど、容量の大きいファイルを扱う場合は、大きめのデータ容量を確保しておきましょう。また、企業の規模に見合うコストのクラウドストレージを選ぶことで、業務効率化による利益を最大化できます。自社での活用のために、最適なデータ容量を確保できるクラウドストレージを選ぶとよいでしょう。
サポート体制
予期せぬトラブルや障害が発生した場合も、損害を最小限に抑えられるようサポート体制が充実したものを選びましょう。
また、海外の企業とのファイル共有が多く海外のものを使用する場合は国内のサポート体制について確認しておくのがおすすめです。
バックアップ体制
データを誤って消去してしまった場合や、障害によりデータが破損した場合の対応には、バックアップ体制が整っていると安心です。サイバー攻撃や自然災害などに備えてバックアップ体制に優れたクラウドストレージを選択しましょう。
5つのクラウドストレージの特徴と選び方
実際に、5つの代表的なクラウドストレージについて、特徴や選び方をご紹介します。
自社の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
OneDrive for Business:Word、Excel、PowerPointのデータ共有や共同編集などに最適
こんな企業におすすめ
Word、Excel、PowerPointを業務で活用している場合は、Microsoft社の製品であり、共同編集がスムーズに行えるなど親和性の高いOneDrive for Businessが便利です。Microsoft 365を導入すればOneDrive for Businessが使え、さらには会議、チャット、通話、共同作業をすべて1カ所で実現できます。
特徴
- Microsoft 365とのシームレスな連携が最大の特徴。Windowsユーザーであれば、誰もが簡単に設定できる
- Windows 8.1以降はOSに標準搭載。インストール不要
- 他のフォルダと同じように使えるシンプルな操作性。Microsoft社のアカウントでログインすれば、エクスプローラーにあるOneDriveファイルに簡単にアクセスして使用できる
- Microsoft社のセキュリティチームによって安全が守られている上、耐障害性のあるセンターでデータを分散して保管
容量や価格は下記からご確認ください。
無料のクラウド ストレージ – ファイル共有 OneDrive
Google ドライブ:Google Workspaceを使ってチーム作業を行う場合におすすめ
こんな企業におすすめ
Gmailを活用している職場環境や、Google Workspaceの機能と合わせてストレージを使いたい場合に適しています。
特徴
- Googleドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライドといったファイル作成機能も使用できる上、Google形式のファイルは合計使用容量に含まれない
- ファイル検出の精度が高い
- Google Workspace 内のデータは分割され、構成の判別防止のため、複数のサーバーやディスクに分散して保管されており、セキュリティも確保
容量や価格は下記からご確認ください。
個人向けのクラウド ストレージおよびファイル共有プラットフォーム – Google
Dropbox Business:多くのデータを安心してやりとりしたい企業に
こんな企業におすすめ
長い動画ファイルや容量の大きいファイルなど、大容量のデータをやりとりする業種の企業に向いています。
特徴
- アップロードできる最大ファイルサイズに制限がなく、ファイルを消してから180日後でも復元可能
- 管理者に与えられる「代理ログイン機能」により、管理者はチームのメンバーのファイルを閲覧、削除などが可能(AdvancedプランまたはEnterpriseプラン)
- 共同作業時のファイル紛失などにも対応できる
- セキュリティテストを定期的に実施し、潜在的なセキュリティ脆弱性とバグを識別、修正
容量や価格は下記からご確認ください。
法人向けクラウドストレージ DirectCloud
クラウドストレージで業務効率化を進めよう
テレワークにおいては、ビジネスツールの活用が必須です。クラウドストレージをはじめとするツールの選択と活用が一つのスキルとも言える今、多数のビジネスツールが1カ所に集約されているMicrosoft 365を導入すると効率化につながります。
Microsoft 365|マイクロソフト クラウドサービス統合ソリューション[Convergent®]

また、クラウドストレージはスキャンサービスとの連携でペーパーレス化が促進でき、働き方改革にも役立ちます。下記の記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。

スキャンした書類データをクラウドストレージに保管できる事例については、こちらをご覧ください。複合機のメーカーが異なっても使用できますし、ファイルサーバーの容量を気にすることなく活用可能です。
伊藤忠商事株式会社 | 導入事例 | オフィスセキュリティソリューション -SmartSESAME
テレワークにも生かせる、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)に関する注意点や便利なツールは、下記記事でご紹介しています。ぜひご参考になさってください。

- 本記事でご紹介した機能や特徴は2022年7月現在の情報です。ご紹介した機能の一部は追加オプションである場合があります。
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