かさむデータベースのコスト…その救世主Amazon RDSに迫る

膨大な情報を効率的に管理したり活用したりするデータベース(DB)の導入が、ビジネスのジャンルを問わず、さまざまな企業で行われています。しかし、データベースの導入・運用には、もちろんコストが掛かります。そこでこの記事では、コストの面からデータベースを解説。さらに、コストパフォーマンスが高いAmazon RDSについて、さまざまな視点から説明していきます。

目次

データベースの導入・運用で発生する作業コスト

データベースの導入や運用では、さまざまな作業コストが掛かります。そして、オンプレミス(自社運用)で一から導入・運用するケースと、クラウドサービスを使って導入・運用するケースでは、これらの作業工数は大きく異なります。

特に、オンプレミスでデータベースを導入・運用する場合、『必要なデータベース容量を割り出すためのサイジング』『信頼・耐障害性を確保するために行う可用性設計』『トラブル発生時のためのバックアップ設計』『システムの導入作業』など、導入時に多くの作業工数が掛かります。

設計や導入などの作業コストは、データベースの構築をサポートするベンダーに委託すれば、ある程度削減することができるかもしれません。しかし、データベースの自社運用では、導入後の運用フェーズにあたって、『稼働状況のモニタリング』『パッチ処理』『リストア(復元)作業』『アプリケーションの最適化』など、さらにさまざまな作業が発生してしまいます。

一方、クラウドサービスを活用したデータベースの運用は、設計・導入・運用に掛かる作業コストが少ないことが特長。導入するデータベースや、運用方法などにもよりますが、オンプレミス型に比べ、比較的作業コストを抑えることが可能となっています。

データベースの導入・運用に掛かる金銭的コスト

データベースの導入・運用に掛かる金銭的コストデータベースの導入や運用では、作業コストに加え、さまざまな金銭的コストが掛かります。その一つがデータベースのライセンス費用です。もちろん、利用するデータベースのライセンス形態によって料金は異なりますが、比較的小規模なものであっても、数十万円程度は見込んでおく必要があります。

また、商用データベースのライセンス料は、その費用が年々増加しています。特に、一部のクラウド形態のデータベースについては、比較的費用が高くなるオンプレミスでの導入・運用よりも、ライセンス料がかえって高くなるケースも。活用や予算などの計画を怠り、安易に便利なクラウドサービスを取り入れると、場合によってはオーバースペックとなり膨大かつ無駄な金銭的コストが発生してしまうかもしれません。

Oracle Databaseは特にコストが掛かる

現在、「SQL Server」「MySQL」「PostgreSQL」など、さまざまなデータベースが提供されていますが、その中でも商用データベースを代表する「Oracle Database」は、コストが非常に高いことで有名です。どのライセンス形態を選ぶかによって料金は異なりますが、ごく小規模な開発であっても数十万円程度。逆に大規模な開発で活用するとなると、数百万円に上ることもあります。Oracle Databaseの価格の高さに関する情報は、さまざまな企業やメディアなどから度々発信されています。

導入・運用のコストが削減できるAmazon RDSに注目

導入・運用のコストが削減できるAmazon RDSに注目「Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)」とは、Amazonが事業者向けに展開するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」の一つで、構築や運用、拡張が容易であるフルマネージドなデータベースの機能を提供するサービスのことです。

導入や運営に掛かる作業・金銭的コストが低いことから、現在多くの企業がAmazon RDSに注目しており、ビジネス領域を問わずさまざまな企業が導入や運用を進めているといいます。

通常、オンプレミスの形式でデータベースを操作するにあたっては、データベース管理システム(以下、データベースエンジン)と呼ばれるソフトウェアを組み込まなければなりません。しかし、Amazon RDSを用いたデータベースの活用では、データの活用方法などに応じて、サービスの中から最適なデータベースエンジンを選択することが可能。また、サーバーを新たに準備する必要もないため、構築後すぐにデータベースを利用することができるようになります。

そもそもリレーショナル型データベースって?

リレーショナル型データベースとは、データベースの構造の一つで、(Excelのように)行と列の2軸で表示されるデータベースのこと。主に、特定の条件に基づいた複数データの管理や、データの検索や編集などに活用されています。

リレーショナル型データベースは、情報を統合したり管理を効率化したりする面で優れており、従業員や顧客リストのデータ管理などにとても有効です。

Amazon RDSで選択できるデータベースエンジン

Amazon RDSで用意されているデータベースエンジンには、主に以下の種類があります。

ユーザーは、「Amazon Aurora」「PostgreSQL」「MySQL」「Mariaデータベース」「Oracle Database」「SQL Server」、この6種類のデータベースエンジンから任意で選択することが可能です。

Amazon AuroraとはAWSの独自データベースで、MySQLの最大5倍、PostgreSQLの最大3倍の高速パフォーマンスが特長です。その他、データの巻き戻し(BackTrack)や、高速フェイルオーバー処理(通常30秒以内に完了)などの強みを持ちます。

Amazon RDSの具体的なメリットとは

Amazon RDSには、大きく分けて、以下の3つのメリットが挙げられます。それぞれ具体的に解説していきます。

運用開始までがスピーディー

Amazon RDSでは、データベースのインストールや、可用性の確保、バックアップの設定、サイズのスケーリングなど、データベース環境を構築する上で発生する各作業がメニュー化されていてシンプルです。また、ハードウェアやOSのメンテナンスも不要。構築から運用までに掛かる作業コストを大幅に削減することが可能で、運用開始までの時間がスピーディーです。

マネージドサービスの利点

安価な金銭的コスト

Amazon RDSでは、使用したリソースに応じて料金が発生する「従量課金制」が用いられており、比較的安価にデータベースを運用することが可能です。さらに、初期費用などが一切掛かりません。しかしその反面、利用状況によって料金が上下するため、予算管理が難しくなる傾向がみられます。

柔軟な拡張性

クラウド経由で必要なコンピューターリソースを調達・調整できるため、Amazon RDSは柔軟な拡張性を持っています。必要に応じて、すぐにインスタンスやストレージをスケールアップしたり、インスタンスをスケールダウンしたりことが可能です。また、マネジメントコンソールなどの設定により、インスタンスサイズに基づいてメモリーサイズなどを自動的にチューニング。ストレージについては、自動で拡張することできます。

Amazon RDSへの乗り換え(導入)についてはシーイーシーにご相談を

「データベースマイグレーションサービス」と呼ばれるデータベース移行サービスを活用すると、既存のデータベースを比較的容易に移行することができると言われています。しかし実際には、他のシステムとの連携性を評価したり、データ移行時に発生しうる問題点を検証したりするほか、アプリケーションに与えるさまざまな影響のチェックなど、自社で確認しなければならないポイントが数多く存在します。

そこで活躍するのが「APN(AWS Partner Network)パートナー」。APNとは、AWSを活用してソリューションやサービスを構築しているパートナーのコミュニティで、Amazonから認定を受けたパートナー企業などによって構成されています。

APNパートナーであるシーイーシーでは、「Amazon RDS移行サービス」を提供して、Amazon RDSへのデータベース移行に必要なプロセスをワンストップでサポートしています。「データベースの運用に関するコストを減らしたい」「データベースをクラウドに移行したい」などの課題をお持ちの企業様は、ぜひこれを機会にご相談ください。

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