サポートデスクの在宅勤務をクラウドで実現!「Amazon Connect」を活用したシーイーシーの取り組み

企業では、コロナ禍で出勤率の削減が求められ、テレワークの導入が進んでいます。今回は、サポートデスクの在宅勤務を実現し、サービス向上と運用効率化に成功したシーイーシーの取り組みをご紹介します。

目次

サービスの一環としてサポートデスクを提供

シーイーシーでは、多彩なセキュリティ対策ソリューションを展開しており、その一環として自社やパートナー企業の製品・サービスのテクニカルQ&Aを担う、サポートデスクを設置しています。

従来、サポートエンジニアは出張や外出が多いため、お客様からの問い合わせにはコールセンターが一次対応し、オペレーターからエスカレーションを受けたサポートエンジニアが二次対応を行う運用となっていました。しかし、複数の担当者を経由するため、お客様とのコミュニケーション遅延が問題になっていました。

コロナ禍での在宅勤務で新たな課題が発生

問題を抱えつつも、2020年の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受け、サポートデスクもテレワーク導入に取り組むこととなります。

当初、一次対応のコールセンターは従来どおりに運用し、サポートエンジニアだけが在宅勤務を実施。サポートエンジニアにはスマートフォンを配布し、在宅勤務時のお客様への連絡に利用していました。

サポートエンジニアがお客様に電話をかける際、番号非通知だと着信拒否される場合もあるため、発信者番号を通知していましたが、「営業時間外にお客様から直電があり、対応が難しい」といった、想定外の問題が発生することとなったのです。

また、緊急事態宣言の発令状況によって、求められる在宅勤務率は50%から80%まで大幅に変動します。社会情勢に合わせて在宅勤務率を調整しようとすると、定型の勤務体制が構築できず、体制の安定化が課題となっていました。

クラウドを活用し、在宅勤務のエンジニアが直接対応

こうした状況を踏まえて、サポートデスクは運用体制を一新。一次対応のコールセンターを廃止し、サポートエンジニアによる直接対応に切り替えることにしたのです。実現には、AWS(Amazon Web Services)によるクラウド型コンタクトセンター「Amazon Connect」を活用し、業務PC内のWebブラウザーから外線通話ができる環境を構築しました。

さらには「Amazon Polly」と連携し、夜間・休日の問い合わせには時間外アナウンスを自動再生する仕組みを追加。
サポートエンジニアからの折り返し電話も、「Amazon Connect」経由の外線から発信することで、発信者番号として、サポートデスクの固定電話番号を通知できるようになり、利便性が高まっています。

導入前環境と運用

わずか5日間で導入でき、運用コストも25%削減

「Amazon Connect」は、その他のAWSサービスと同様に必要な機能だけをオンデマンドで利用できるため、低コスト・短期間で導入でき、拡張も容易です。今回も、運用体制の検討には時間をかけたものの、現場での導入は実質5日間で完了しました。

移行後は、在宅勤務の実現だけでなく、お客様とのコミュニケーション遅延も解消し、問い合わせから解決までの平均レスポンスタイムが半減しました。また、サポートエンジニアが直接対応するため、よりスピーディーで的確なサポートが可能となり、サポート品質も向上しました。

コールセンターの廃止による体制のスリム化、クラウド活用による保守コストの抑制で、運用コストも25%削減。サポートエンジニアに配布するスマートフォンが不要になったことも、コスト削減につながりました。

各種センターを統合し、テレワーク・夜間休日対応を強化

今後は、「Amazon Connect」の拡張性を活かして、さらなるサービス向上と効率化に取り組む予定です。その1つが、IVRによる自動音声での区分選択です。問い合わせ対象のサービスをプッシュ番号で選択し、接続先を振り分ける仕組みの導入を検討しています。また、営業時間外にかかってくる緊急の問い合わせを、サポートエンジニアの持ち回り用携帯電話に転送し、緊急電話の対応率をより向上させることも検討しています。

将来的には、セキュリティ監視運用のCEC SOC(セキュリティオペレーションセンター)や、ネットワーク運用監視のネットワークオペレーションセンターなどにも「Amazon Connect」を活用するなど、テレフォニー環境の統合も検討しています。社内では、テレワークの推進や夜間休日対応の強化に期待が高まっています。

サポートデスクのテレワーク・品質向上・コスト削減を実現

今回は、サポートデスクでの在宅勤務の取り組みをご紹介しました。オンデマンドで導入できる「Amazon Connect」を活用し、コロナ禍で社会的要請となっているテレワークの推進と、サポート品質の向上、コスト削減を短期間で実現できました。
シーイーシーは、今後も価値あるテレワーク導入に取り組んでいきます。

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