2024年問題を超えて、2030年問題と物流業界の次なるステップ

2024年問題を超えて、2030年問題と物流業界の次なるステップ

物流業界は、ドライバーへの働き方改革関連法の適用による2024年問題への対応をはじめ、労働人口の減少、人手不足がさらに加速する2030年問題も抱え、早急に物流現場の「省人化・自動化・効率化」を進める必要があります。従来のような生産性を維持するには、デジタルを活用した次なるステップが不可欠です。

この記事では、物流業界が直面している2024年問題、そしてその先に待ち受ける2030年問題、その対策について解説します。

目次

2024年問題を迎えた現状と新たな課題

2024年問題を迎えた現状と新たな課題

2024年4月1日を迎え、働き方改革に伴う運転手の労働時間規制が施行された一方、荷待ち・荷役時間の削減、運賃の適正化、積載量の改善十分とはいえません
2025年5月までに施行される「流通業務総合効率化法・貨物自動車運送事業法改正」で、運送事業の効率化や業務の適正化に関する新たな規制を定められることもあり、まだまだ多くの事業者が対策に追われています。

2024年問題とは

2024年問題とは、働き方改革関連法の施行に伴い、物流業界で従来の業務プロセスを維持することが困難になっている問題を指します。

法改正に伴い、トラックドライバーが以前のように長時間労働を前提とした輸送を継続できず、輸送力の低下が深刻化しています。

物流業界の2024年問題について詳しくはこちら

2024年問題を迎えた現状

2024年問題への対応に向けて政府は、2023年10月「物流改革新緊急パッケージ」を定め、

  • 物流の効率化
  • 荷主・消費者の行動変容 
  • 商慣行の見直し

を掲げ、国を挙げての対応が進められています。

2024年問題で見えてきた課題、「2030年問題」

未来図編集部

2024年問題は当面の課題として残っている一方、新たに懸念されるようになったのが「2030年問題」の到来です。

「2030年問題」は、少子高齢化による労働力人口の減少が進み、多くの産業で人手不足が深刻化すると予測される社会的課題です。

物流業界も、この問題の影響を強く受けると考えられており、野村総合研究所の試算によると、2030年には全国の物流において、2015年比でおよそ35%の荷物が輸送できなくなる可能性が指摘されています。この背景には、慢性的なトラックドライバーの人手不足があり、業界の賃金水準の低さなどが要因として挙げられます。

さらに懸念されるのは、人手不足による倒産が増加し、それがさらなる運送能力の低下を招く悪循環です。この課題に対応するためには、物流業界だけでなく、物流にかかわる荷主企業や倉庫業界を含めた総合的な効率化が不可欠です。具体的には、デジタル技術の活用モーダルシフト共同配送の推進などが重要な施策となるでしょう。

未来図編集部

2030年問題の解決には、業界全体での継続的な取り組みが求められています。

物流業界の次なるステップへ:物流事業者と倉庫事業者の連携で全体最適化を

物流業界の次なるステップへ:物流事業者と倉庫事業者の連携で全体最適化を

物流事業者と倉庫事業者が密接に連携することで、従来よりも少ない人員でより多くの輸送能力を確保できるようになります。これは業界全体の効率化につながる重要な取り組みです。

荷主が取り組むべきこと

発荷主事業者・着荷主事業者が優先して取り組むべき対策として「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」で、物流業務の効率化・合理化が掲げられています。

このガイドラインでは物流業務の効率化・合理化として、荷待ち時間の正確な把握と、荷待ち時間を2時間以内に収めるルールの取り組みを必要としています。

未来図編集部

これにより無駄な待機時間を削減し、物流業務全体の大幅な効率の向上が期待できます。

また、物流管理統括者を選定して組織内で物流業務の効率化を総合的に推進する体制の整備が求められており、統括者が他部門との調整や改善活動を主導することで、組織全体としての物流効率を高めることが可能になります。

さらに、発荷主事業者および着荷主事業者は、物流の過度な負担を見直し、取引先や物流事業者からの改善提案に積極的に対応することが推奨されています。

未来図編集部

こうした取り組みを実践することで、物流業務の効率化と合理化が見込めます。

これらの取り組みを効果的に実施し、さらなる効率化を図るためには、適切なシステムの導入も重要です。そのような観点から、このような業務効率化と合理化の取り組みを支える一環として、倉庫運用管理システムWES」(Warehouse Execution Systemの導入が注目されています。

倉庫運用管理システム「WES」とは

倉庫運用管理システムWESとは

倉庫運用管理システムWES)は、倉庫事業者の業務改善に効果的な最新のICTソリューションです。
このシステムは、倉庫管理システム(WMS)倉庫制御システム(WCS)をつなぐ役割を果たし、倉庫事業者と物流事業者の連携を強化します。

倉庫運用管理システム(WES)の導入により、倉庫事業者は一元管理の実現、生産性向上、属人化の解消といったメリットを得られます。同時に、物流事業者にもトラックの回転率向上や待機時間の短縮といった利点がもたらされます。このように、WES倉庫事業者と物流事業者の双方にメリットを生み業界全体の効率化に貢献するシステムとして期待されています。

倉庫(荷主)×物流(トラック入退)の業務課題を解決、新物流サービス LogiPull WES

倉庫(荷主)×物流(トラック入退)の業務課題を解決、新物流サービス LogiPull WES

「LogiPull WES」とは、倉庫と物流の連携強化による業務改善を実現する倉庫運用管理システムです。

トラックの入退管理だけでなく、庫内業務やマテハン機器との連携の必要性から誕生したこのサービスは、トラックの来場から退場までの一連の業務を無人化できます。

豊富なカスタマイズの余地を備えているため、どのような現場状況でも導入できる柔軟性が強みです。

未来図編集部

すでにWMSWCS導入している場合でも、合わせてお使いいただけます。

「LogiPull WES」具体的な機能についての解説や導入プロセスについては、ウェビナー動画でご確認いただけます。

ウェビナー動画の視聴はこちらから

まとめ

本記事では、物流業界が直面する2024年問題その先にある2030年問題について解説し、これらの課題に対する解決策を提示しました。

2024年問題は、働き方改革関連法の施行に伴う輸送能力の低下が主な課題です。一方、2030年問題は少子高齢化による労働力人口の減少が引き起こす深刻な人手不足問題です。これらの課題に対処するためには、物流業界全体での効率化と生産性向上が不可欠です。

その解決策として注目されているのが、物流事業者と倉庫事業者の連携強化です。特に、倉庫運用管理システム(WES)の導入が効果的です。

WESは倉庫業務の効率化だけでなく、物流事業者との連携も強化し、業界全体の最適化に貢献するでしょう。

WESの導入を検討の際にはLogiPull WESにお任せください

LogiPull WESは、倉庫業務の効率化を実現するソリューションです。作業計画の自動化や作業進捗の見える化により、物流現場の業務プロセスを最適化し、大幅な効率向上を実現します。

WESの導入はまだ普及段階にありますが、LogiPull WES導入から運用まで包括的なサポートを提供しています。
物流DXや2024年問題対策について、オンライン相談会も実施しております。以下のリンクからお気軽にご相談ください。

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