仮想環境の移行先を徹底比較!オンプレ・クラウド・HCIを徹底比較

仮想環境の移行先を徹底比較! オンプレ・クラウド・HCIを徹底比較

サーバーの老朽化、保守切れ、コストの見直し、そしてDX推進の必要性――。多くの企業が今、ITインフラ全体の「見直し」という大きな課題に直面しています。特に、企業の基幹を支える仮想環境は、特定の製品のライセンス体系変更も相まって、その「移行」や「刷新」が避けられない経営課題となっています。

本記事では、その中でも特に、VMwareのライセンス体系変更などをきっかけに喫緊の課題となっている「仮想環境の移行」に焦点を当て、主要な選択肢を徹底的に比較・解説します。複雑化するITインフラの中から自社に最適な解を見つけ出すための羅針盤となることを目指します。

この記事で分かること
  • 自社に最適な仮想環境の移行先(オンプレ、クラウド、HCI)がわかる
  • VMwareからの移行で検討すべき選択肢がわかる
  • 移行先を選ぶ際の具体的な比較ポイントがわかる
この記事を書いた人

ICT未来図 編集部


株式会社シーイーシーが運営するオウンドメディア「ICT未来図」編集部。
ICT関連のタイムリーなトピックスやキーワードから世の中の動向をひも解き、課題解決のヒントとなる情報を発信しています。
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目次

なぜ今、仮想環境の「移行・見直し」が避けられない課題なのか?

なぜ今、仮想環境の「移行・見直し」が避けられない課題なのか?

長年にわたり安定稼働してきたはずの仮想環境。なぜ今、多くの企業がその見直しを迫られているのでしょうか。背景には、無視できない複数の複合的な要因が存在します。

ハードウェアの老朽化と保守切れ問題

オンプレミス環境で仮想基盤を運用している場合、サーバーやストレージといった物理的なハードウェアは5〜7年で寿命を迎え、保守契約も終了(EOSL: End of Service Life)します。保守が切れた機器を使い続けることは、障害発生時に迅速な対応が受けられず、事業停止に直結する重大なリスクを抱えることを意味します。

未来図編集部

定期的なハードウェア刷新は必須ですが、その都度、多額の投資と大規模な移行作業が発生するという課題がつきまといます。

特定の製品のライセンス体系変更による、予期せぬコスト増大リスク

仮想化市場で長年デファクトスタンダードとされてきたVMware製品が、Broadcomによる買収を機にライセンス体系を大幅に変更しました。具体的には、従来の永続ライセンスが廃止され、サブスクリプションモデルへと完全に移行したのです。この変更により、多くの企業がライセンスコストの大幅な増加という現実に直面しており、VMware環境を継続すべきか、あるいはコストメリットのある他のプラットフォームへ移行すべきか、という難しい経営判断を迫られています。

VMwareのサブスクリプション化については下記の記事でも紹介しています。

DX推進のために求められる、ビジネス変化に強いITインフラの必要性

デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、激しい市場競争を勝ち抜くためには、ビジネスの変化に俊敏に対応できる柔軟なITインフラが不可欠です。しかし、物理的な制約の大きい従来のオンプレミス環境では、リソースの拡張に数週間から数ヶ月を要することも珍しくなく、ビジネスのスピードに追随できないケースが増えています。

未来図編集部

ビジネス機会を逃さないためにも、クラウドサービスのような柔軟性の高いアーキテクチャへの転換が急務となっているのです。

DX推進については下記の記事でも紹介しています。

移行先は3つの方向性で考える!自社に合った選択肢を見つけるための比較軸

移行先は3つの方向性で考える!自社に合った選択肢を見つけるための比較軸

仮想環境の移行先は、大きく分けて「オンプレミス継続」「パブリッククラウド移行」「次世代基盤(HCI)への刷新」の3つの方向性で考えることができます。まずは、それぞれの特徴を一目で比較できる表で全体像を掴みましょう。

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比較軸オンプレミス
(従来型)
パブリッククラウドHCI
(次世代オンプレミス)
初期コスト高い
(ハードウェア購入費)
低い
(原則不要)
比較的高め
(専用アプライアンス購入費)
運用コスト比較的安定的
(データ転送量が多い場合は有利なことも)
変動
(利用量に応じた従量課金)
運用効率化により人件費を抑制できる可能性
運用負荷高い
(インフラ全般の管理が必要)
低い
(インフラ層はクラウド事業者が管理)
低減
(統合管理ツールでシンプル化)
拡張性低い
(物理的な機器調達に時間と手間がかかる)
非常に高い
(数クリックでリソースを増減可能)
高い
(ノード追加でスモールスタート&スケールアウト)
セキュリティハードウェアレベルから自由に構成可能事業者側で高度な対策が施されているが、設定責任は利用者側にあるオンプレミス同様、自社管理下でセキュアな環境を構築可能
感想環境の移行先比較表

【堅実な選択】既存に近い形でオンプレミス環境を継続する

【堅実な選択】既存に近い形でオンプレミス環境を継続する

長年慣れ親しんだ運用体制や既存のスキルセットを最大限に活かせる、最も堅実な選択肢です。セキュリティポリシーやコンプライアンス要件が厳しく、データを社外に出せないシステムや、性能要件が非常にシビアなシステムに適しています。ただし、ハードウェアの老朽化や運用負荷の高さといった、オンプレミス固有の課題とは引き続き向き合っていく必要があります。

【運用負荷を削減】パブリッククラウドへ移行する

【運用負荷を削減】パブリッククラウドへ移行する

AWSやMicrosoft Azureといったパブリッククラウドへシステムを移行する選択肢です。最大のメリットは、サーバーやストレージといった物理的なインフラの管理を全てクラウド事業者に委ねられる点です。これにより、IT担当者は日々の煩雑な運用業務から解放され、DX推進やアプリケーション開発といった、よりビジネス価値の高い業務に集中できるようになります。

【次世代へ】ハイブリッドクラウドを見据えた新基盤へ移行する

【次世代へ】ハイブリッドクラウドを見据えた新基盤へ移行する

オンプレミスの「高いセキュリティとカスタマイズ性」と、パブリッククラウドの「高い拡張性と運用効率」という、双方の長所を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の実現を目指す選択肢です。
その中核技術となるのが、サーバーとストレージの機能をソフトウェアで統合したHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)です。オンプレミス環境にクラウドのような俊敏性をもたらし、将来的なクラウド連携もスムーズに行える次世代の基盤として注目されています。

【カテゴリ別】仮想環境の主要な移行先を徹底比較

それでは、具体的な製品やサービスを挙げながら、各移行先の選択肢をさらに詳しく見ていきましょう。

オンプレミス環境を継続・刷新する選択肢

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Hyper-Vデータセンター活用
初期コストソフトウェアは低コストだが、
ハードウェア費用は別途必要
ハードウェア購入費に加え、
データセンターの初期費用も発生
運用負荷インフラ全体の管理を
自社で実施する必要がある
物理インフラの管理(電源・空調・セキュリティ)
をアウトソース可能
セキュリティ閉域網など、自社ポリシーに
基づき柔軟に構築可能
専門事業者による24時間365日の
高度な物理セキュリティ
事業継続性(BCP)自社設備に依存するため、
災害対策は別途必要
耐震・免震構造、自家発電設備などに
より高い可用性を確保
オンプレミス環境を継続・刷新する選択の比較表

Hyper-V

Microsoftが提供する仮想化機能で、Windows Serverに標準搭載されています。最大のメリットは、Windows Serverのライセンスがあれば追加コストなしで利用できる点です。VMwareからの移行ツールも提供されており、ライセンスコストを抑えつつ既存のオンプレミス環境を継続したい企業にとって、現実的で有力な選択肢となります。

シーイーシーの「VMware まるっと移行サービス」では、お客様の現行環境やコスト要件をヒアリングし、最適なHyper-V環境への移行をご支援します。

【運用負荷軽減の選択肢】データセンター活用

自社でハードウェアを保有する点は同じですが、その設置場所を専門のデータセンターに移設するアプローチです。これにより、自社で建屋や電源、空調といった設備を管理する必要がなくなり、堅牢なファシリティと高速なネットワークインフラを利用できます。運用・監視サービスを併用すれば、自社の運用負荷を大幅に軽減することも可能です。

物理インフラの管理をアウトソースしたい場合は、「ラック付き仮想基盤 スターターパック」のようなデータセンターサービスが最適です。詳細はお気軽にお問い合わせください。

パブリッククラウドへ移行する選択肢

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Microsoft AzureAWS (Amazon Web Services)
初期コストハードウェア購入が不要なため、
原則として発生しない
ハードウェア購入が不要なため、
原則として発生しない
運用負荷物理インフラの保守・運用から解放される物理インフラの管理(電源・空調・セキュリティ)
をアウトソース可能
セキュリティ高度な機能が提供されるが、
利用者側の設定責任が重要 (共有責任モデル)
高度な機能が提供されるが、
利用者側の設定責任が重要 (共有責任モデル)
事業継続性(BCP)複数リージョン/AZを活用し、
容易にDRサイトを構築可能
複数リージョン/AZを活用し、
容易にDRサイトを構築可能
パブリッククラウドへ移行する選択の比較表

Microsoft Azure

Microsoftが提供するパブリッククラウドサービスです。特に「Azure VMware Solution (AVS)」は、既存のVMware環境をAzure上にスムーズに移行できるサービスとして注目されています。VMware vSphere環境をほぼそのままAzure上で利用できるため、アプリケーションの改修を最小限に抑えつつ、クラウドのメリットを享受できます 。Microsoftが一元的なサポートを提供することも大きな利点です。

VMware環境をスムーズにAzureへ移行するなら、「VMware まるっと移行サービス」がおすすめです。AVSの導入から運用までワンストップでサポートします。

AWS (Amazon Web Services)

世界最大のシェアを誇るパブリッククラウドサービスです。AWSも「VMware Cloud on AWS」というサービスを提供しており、オンプレミスのVMwareワークロードをAWSへシームレスに移行することが可能です。可用性の高いクラウド環境へ移行できるだけでなく、豊富なAWSの各種サービスと連携させることで、システムの機能拡張やデータ分析などを容易に行えるようになります 。

AWSの豊富なサービスとの連携を見据えた移行も、「VMware まるっと移行サービス」にお任せください。貴社のビジネス成長に貢献するクラウド活用をご提案します。

ハイブリッドクラウドを見据えた次世代基盤への選択肢

Nutanix Cloud Platform (HCI)

サーバーとストレージを統合したHCI製品の代表格です。シンプルな構成で拡張性が高く、オンプレミス環境でありながらクラウドのような運用を実現します。VMwareからの代替ソリューションとして注目されており、専用の移行ツールも提供されています 。オンプレミスとパブリッククラウドを連携させたハイブリッドクラウド環境を効率的に構築・運用するためのプラットフォームとして多くの実績があります。

詳しく説明している動画はこちら

Red Hat OpenShift Virtualization

コンテナアプリケーションの開発・実行基盤である「Red Hat OpenShift」上で、従来の仮想マシンを管理・実行するための機能です。これにより、コンテナと仮想マシンを単一のプラットフォームで一元管理できます。VMwareなど既存の仮想環境からの移行ツールも提供されており、将来的にアプリケーションのモダナイゼーション(コンテナ化)を見据えている企業にとって、戦略的な選択肢となり得ます。

詳しく説明している動画はこちら

シーイーシーのハイブリッドクラウドソリューション

私たちシーイーシーは、長年にわたりお客様のITインフラ構築・運用を支援してまいりました。特定の製品やサービスに縛られることなく、お客様の真の課題を解決するため、オンプレミス、データセンター、各種クラウドサービスを組み合わせた最適なハイブリッドクラウドソリューションをご提案します。VMwareからの移行はもちろん、将来を見据えたITインフラ全体の最適化まで、ぜひお気軽にご相談ください。

自社に最適な移行先は?目的別の選び方ガイド

自社に最適な移行先は?目的別の選び方ガイド

どの移行先が最適かは、企業が抱える課題や目的によって異なります。以下のガイドを参考に、自社にとっての優先順位を整理してみてください。

  • 【延命・老朽化対策】まずは今のシステムを動かし続けたい
  • 【コスト最適化】運用コスト、特にライセンスコストを削減したい
  • 【パフォーマンス向上】システムの処理速度や安定性を高めたい
  • 【運用負荷軽減・効率化】管理者の負担を減らし、戦略業務に集中させたい
  • 【事業継続性強化】災害や障害に備えたい

【延命・老朽化対策】まずは今のシステムを動かし続けたい

データセンター活用やHyper-Vへの移行が適しています。既存のシステム構成への影響を最小限に抑えつつ、ハードウェアの老朽化問題を解決できます。

【コスト最適化】運用コスト、特にライセンスコストを削減したい

Hyper-Vへの移行は、追加のライセンス費用を抑制できる可能性があります。また、リソースの利用状況に繁閑の差が大きいシステムであれば、利用した分だけ支払うパブリッククラウドがトータルコストを削減できる場合があります。

【パフォーマンス向上】システムの処理速度や安定性を高めたい

最新のハードウェアで構成されるHCI(Nutanixなど)への刷新や、潤沢なリソースをオンデマンドで利用できるパブリッククラウドへの移行がパフォーマンス向上に直結します。

【運用負荷軽減・効率化】管理者の負担を減らし、戦略業務に集中させたい

インフラ管理から解放されるパブリッククラウドや、運用監視をアウトソースできるデータセンターのマネージドサービスが最適です。IT部門がインフラの保守・運用から解放され、より付加価値の高い業務へシフトできます 。

【事業継続性強化】災害や障害に備えたい

堅牢な免震・耐震設備や自家発電装置を備えたデータセンターや、地理的に離れた複数拠点で容易に冗長化構成が組めるパブリッククラウドは、BCP(事業継続計画)対策として非常に有効です。

まとめ|最適な移行先を見極め、具体的な計画フェーズへ

仮想環境の移行は、単なるITインフラの入れ替え作業ではありません。それは、コスト、パフォーマンス、運用負荷、セキュリティ、そして将来のビジネス展開までを見据えた、企業のIT戦略そのものを左右する重要な経営判断です。

本記事で紹介した3つの方向性とそれぞれの選択肢を参考に、まずは自社の現状の課題と将来のありたい姿を明確にすることから始めてみてください。その上で、各選択肢のメリット・デメリットを冷静に比較検討し、自社にとっての最適解を見つけ出すことが重要です。

「自社の状況を客観的に分析してほしい」
「具体的な移行計画やコストについて、専門家の意見を聞きたい」

そのようにお考えでしたら、ぜひ一度、シーイーシーにご相談ください。長年の経験を持つインフラの専門家が、中立的な立場からお客様の状況を丁寧にヒアリングし、ビジネスの成長を支える最適な移行プランの策定から実行まで、責任をもってご支援いたします。

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