2023年10月10日にサポートが終了!Windows Serever 2012の移行先を考えよう
2023年10月10日にはWindows Server 2012の延長サポートが終了しEOS(End Of Support:サポート期間が終わること)を迎えます。本サポート終了後にとるべき選択肢は4つありますが、どれを選べばいいのでしょうか。
Windows Server 2012のサポート終了はクラウド化のチャンスです。本コラムではサポート終了のまま使い続けるリスクと、EOS後にとるべき選択肢について解説します。
1年を切ったWindows Server 2012のサポート期間
Windows Server 2012はWindows Server 2008 R2の後継として2012年9月5日にリリースされたサーバーOSです。それから6年が経過した2018年10月9日にはメインストリームサポートが終了しています。
ただ2018年10月10日には3年間、セキュリティ更新プログラムを受け取ることができるESUと呼ばれている拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates)が提供されました。続いて2021年7月にも追加のESUが提供されています。しかしそれも終了するのが、2023年10月10日というわけです。
Windows Server 2012をサポート期限終了しても使い続けるリスク
サポートが終了してもWindows Server 2012を使い続けることはできますが、以下のようなリスクにさらされる可能性が想定されます。
サイバー攻撃の標的となる可能性が高まる
想定されるリスクの中でも、もっとも危険なのはセキュリティリスクです。サポートが続いている場合、新たなサイバー攻撃が見つかれば、Windows Updateなどのセキュリティパッチが提供されます。
しかしサポートが終了してしまえばセキュリティパッチは配布されませんので、セキュリティの脆弱性が高まります。サーバーの脆弱性を狙ったサイバー攻撃の標的となるリスクが高い状態になるのです。
トラブルに対して自力で解決しなければいけない
サポート終了後に継続して使い続けることは、Microsoftのサポートを受けられない状態を意味します。そのため、Windows Server 2012に新たな問題やトラブルが発生した場合でも自力で解決しなければいけなくなります。その結果、問題やトラブルが発生したときにビジネスが止まってしまうリスクが高くなります。
ハードウェアが故障する可能性が高くなる
ハードウェアの標準保守期間は5年間です。Windows Server 2012をサポート終了後も使い続けることは、ハードウェアも標準保守期間を超えて使い続けることになります。ハードウェアは長く使っていくほど、部品の経年劣化などによって故障する確率は高くなります。
サポート終了後にとるべき4つの選択肢
Windows Server 2012を使い続けるリスクを回避するためにとるべき対応として、以下4つの選択肢が考えられます。
1.オンプレミスでOSをアップグレード
一般的な対応としては、オンプレミス環境でWindows Server 2022へとOSをアップグレードすることです。こうすることにより、最新のOS環境とセキュリティ機能を手に入れることができます。
ただOSをアップグレードしてもハードウェアがEOSになるたびに、新たなハードウェアにリプレースし、システム構築や移行作業をする必要があります。オンプレミス環境の場合、将来予測を考慮して運用するシステムやサービスの規模を見積もってリソースを用意しておくサイジングも必要になります。
また、オンプレミス環境は変化に弱いため費用が変動費化できず、運用監視の負荷も変わりません。アプリケーションやデータベースの改修作業が必要になるところもデメリットです。
2.クラウド移行でOSをアップグレード
クラウドへ移行してOSをアップグレードする方法もあります。クラウド移行により最新のOSを最新のセキュリティ環境のもとで利用できるようになります。ハードウェアをオンプレミスに置かないので、ハードウェアのEOS対応から解放されるようになります。
サイジングも不要となるため性能や迅速性、可用性が向上します。クラウドは従量課金制なので利用コストの削減が可能です。加えて、導入後の監視・管理はクラウド事業者が行うためセキュリティ面でも安心でき、運用監視の負荷軽減も期待できます。
ただし、クラウドに移行しても、アプリケーションやデータベースの改修作業は必要です。
3.オンプレミスでOSを現状維持(アップグレードせずに延命)
Windows Server 2012の延長サポートが終了しても使い続けていくことができる最後の手段が、延長サポート終了後に最長3年間サポートされるESUです。
「緊急」と「重要」に分類されるセキュリティ修正の更新プログラムと、サポート契約に基づく技術サポートが提供されるこのESUは、Windows Server 2012を使い続けられる最後の手段です。
ただ、無償で提供されるわけではなく、1年目にはライセンス価格の75%、2年目にはライセンス価格の100%、3年目にはライセンス価格の125%の費用が必要になります。
そのほかにアップグレードせずに延命していく方法としては、サードパーティーから提供されているセキュリティソリューションを利用してWindows Server 2012を利用継続する方法のほか、オンプレミスのみのスタンドアローンでWindows Server 2012を利用継続する方法もあります。
しかしこのような方法をとると、レガシーシステムへのコスト支出やレガシーOSを使いこなせる技術者の確保が必要になるデメリットがあります。サポート切れシステムを使い続けることは、DXの足かせにもなりかねません。
4.クラウド移行でOSを現状維持(アップグレードせずに延命)
サードパーティーから提供されているセキュリティソリューションにはクラウドで利用できるものもあります。そのため、クラウド上でWindows Server 2012を利用継続することも可能です。ただし、オンプレミスで利用継続する場合と同様のデメリットは生じます。
EOS対策にはクラウド移行&OSアップグレードがおすすめ
Windows Server 2012のEOS対策として存在する4つの選択肢を説明してきました。この4つを検討してみると、Windows Server 2012のサポート終了後はクラウドへ移行しOSをアップグレードするのがおすすめです。[1]
なぜなら従量課金制というコスト面のメリットと、サーバーの監視・管理をクラウド事業者に任せられるというセキュリティ面のメリットがあるからです。
また、クラウド移行とあわせてOSもアップグレードすることで、最新のOS機能とセキュリティが適用され、より最適なインフラ環境が確保できます。
Windows Server 2012の利用用途はデータベースサーバー、アプリケーションサーバー、Webサーバーの3つで過半数を占めています(株式会社MM総研「国内Windows Server 2012稼働台数調査」による)。このような利用用途はクラウド移行をしたとしても問題ありません。
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