IBM i 7.2(AS/400)「ケアサービス for iSeries Site」サポート終了せまる! ~どう選ぶ?オフコンの未来~
IBMはこのほど、統合型コンピューターシステム「Power Systems(旧:AS/400)」などに搭載されるOS「IBM i」について、一部バージョンのケアサービスが終了することを発表しました。そこでこの記事では、同サービスの終了に関する詳細や、今後対象ユーザーに伴うコンピューターリスクなどに言及。また、必要な対策などについて詳しく解説していきます。
IBM i 7.2(AS/400)の「ケアサービス for iSeries Site」が終了へ
ホームページ内でIBMは、IBM i 7.2(AS/400)に関連する「ケアサービス for iSeries Site」のサービス提供について、2024年4月30日付で終了することを発表しました。同サービスの終了は対象となるIBM i 7.2の保守終了に伴うもので、IBMは終了日以降、ユーザーの新規注文や登録を停止する見込み。なお、IBM i 7.3 と IBM i 7.4については、引き続き上記サービスを提供していくということです。
>> サポートの終了: IBM i 7.2 における「ケアサービス for iSeries Site」
ケアサービスなどの終了後にIBM i 7.2 (AS/400)を使い続けるリスクとは?
IBMが必要と判断する機能や不具合などに関して、ユーザーに各種情報を届けるケアサービス for iSeries Site。IBM i 7.2(AS/400)のユーザーが同サービスを受けられないということは、つまり“必要な各種サポートを提供元から受けることができない”ことを意味します。
例えばプログラムの不具合や更新に関する情報は、統合型コンピューターシステム(AS/400)や、それを稼働させるOS(IBM i)にとって大きな死活問題。企業の事務処理でこれらを活用している場合、不具合情報などを見過ごすと、後に取り返しのつかないビジネスリスクに発展するかもしれません。
中でも、コンピューターセキュリティに関連する各種情報の見落としは、セキュリティホールの発生によるサイバー攻撃や、これに伴う企業情報の漏えいなど、さまざまなリスクを引き起こします。特に、企業の経理や会計、勤怠、人事、給与などのシステムを司るオフィスコンピューター、いわゆるオフコン(AS/400)にとって、セキュリティ関連情報は看過できないトピックの一つです。
ケアサービス終了までに必要な3つの選択肢
ここからは、対象ユーザーがケアサービス終了までに行うべき3つの対策について解説していきます。
OS(IBM i)をバージョンアップする
今回、ケアサービス終了の対象はOS(IBM i 7.2)のみですが、以降のバージョンについては、サービスが継続中です。したがって、新しいバージョンにOSを移行すれば、ユーザーは今後も継続的にサービスを受けることが可能になります。ただし、バージョンアップを実施したとしても、長期的に考えると、再びサービス終了の対象になってしまいます。
しかし、OSのバージョンアップ一つとっても、バージョンアップの作業や、その後の運用ができる技術者がそもそも社内にいないなど、さまざまな理由で実行できない企業は少なくありません。また、バージョンアップに伴う機能や仕様の変更により、業務トラブルが発生してしまう可能性も生まれます。
シーイーシーでは、こうした課題を解決するための多様なサービスを展開しており、その一つが「AS/400 OSバージョンアップサービス」。同サービスでは、コンピューター環境に関するヒアリングを徹底的に行い、その上でお客様に最適化したバージョンアップ計画を策定、OSのバージョンアップを実行しています。
>> バージョンアップ作業は「AS/400 OSバージョンアップサービス」におまかせ
IBM iをクラウド環境で提供されるオフコン(AS/400)へ移行する
リスク対策の一つとして、IBM i 7.2をクラウド環境で提供されるオフコン(AS/400)へ移行するという方法があります(現在、オンプレミスでAS/400を稼働させている企業が対象)。具体的には、AS/400をクラウド環境に移行し、またバージョンアップしたIBM iを新たな環境で稼働させることです。クラウド化などを行うことによってユーザーは、ベンダーからさまざまな最新情報やサポートを受け取れるようになります。
>> 「BizVision PLUS 400」がシステム環境のクラウド移行をサポート
AS/400をオープン化する
IBM iが搭載されるオフコン、AS/400をオープン化(設計や仕様などを公開したり、“公開された標準仕様を元にして製造された製品”を採用したりすること)することで、最新の技術や仕組みを取り入れやすくします。これにより、ケアサービスの終了に伴うコンピューターリスクを回避することができるようになります。
>> ホスティングサービス「メインフレーム・AS/400」がAS/400のオープン化を支援
IBMiケアサービス終了に伴う対策についてはシーイーシーにご相談を
今回のIBM iケアサービス終了にいたっては、その対象が一部の古いOSバージョンに留まりました。しかし、新たなOSのバージョンが生まれ、“古いもの”が生まれていく以上、自社で使用しているOSに関してもいつかはサービス終了の対象になるということです。したがって、ケアサービスの終了時期や対象OSなどを細かくチェックし、レガシーシステム(古くなったシステム)をマイグレーション(移行)していく必要があるでしょう。
シーイーシーでは、IBM i 7.2(AS/400)に関連する「ケアサービス for iSeries Site」サポート終了に関して、特設サイトでさまざまなサービスを紹介しています。お客様のお悩みや相談に寄り添い、解決をサポートします。