SSOだけが解ではない!医療現場に求められる“現実的な”認証強化策

電子カルテや検査システムなど、多数の業務システムが混在する医療現場では、セキュリティ対策と業務効率の両立が常に課題です。特に「誰がいつどの端末を使ったのか」という本人確認の強化は、ガイドラインへの準拠と情報漏洩リスクの低減に直結する重要なテーマです。
SSO(シングルサインオン)は有力な対策のひとつですが、実情を踏まえるとそれだけでは対応しきれない現場も数多く存在します。本記事では、厚生労働省の医療ガイドライン6.0に沿って、PCログオン認証を軸とした現実的な認証強化の選択肢をご紹介します。
ICカードや生体認証でPCセキュリティを強化「SmartSESAME PCログオン」
医療ガイドライン6.0が求める「本人認証」

2024年に改訂されたガイドライン6.0では、HIS(病院情報システム)ネットワークに接続する端末に対して、シングルサインオン(SSO)または二要素認証/多要素認証(MFA)による本人確認を必須とする要件が明確になりました。
これは、医療機関における情報漏えいや不正アクセスリスクの高まりを背景としています。従来のID/パスワードのみの認証方式では、なりすましやパスワード共有といったセキュリティ上の脆弱性を十分に抑えられないため、より強固な認証手段の導入が不可欠になっています。
ガイドラインは次の点を重視しています。
- 誰が、いつ、どの端末を使ったかを記録する 証跡の整備
- 多要素認証(MFA)による本人確認の強化
- 組織全体での セキュリティポリシーの整備と徹底
SSOだけでは解決できない現場の課題

SSOは、複数の業務システムを一度の認証で利用できる便利な仕組みですが、医療現場での導入には想定以上のハードルがあります。
医療機関で利用される業務システムは電子カルテ、検査システム、オーダリング、画像診断など多岐にわたります。これらはベンダーが異なることが多く、SSOに対応していないシステムや認証連携の設定が難しいシステムが少なくないため、結果として一部のシステムは従来どおり個別ログインが必要となり、現場の負担がほとんど減らないケースも見られます。
さらに、SSOは導入後の運用コストも課題です。システム更新や新規追加のたびに認証連携の再構築が必要となり、IT部門の工数が増加します。専用サーバの構築や設定変更も必要になるため、特に中小規模病院では費用対効果が見合わないという声も少なくありません。
こうした課題を放置すると、現場では次のようなリスクが生じます。
- パスワード共有による不正利用
- 誰がどの端末を使用したか追跡できない状態
- ガイドライン違反による監査リスク
- ログインの煩雑さによる業務停滞やヒューマンエラー
現実的な選択肢:多要素認証で“入り口”を守る

こうした状況で注目されているのが、端末ログオン時に多要素認証(MFA)を導入するアプローチです。システム間の連携を前提とせず、物理端末へのログイン時に「誰が使用したか」を厳格に管理することで、ガイドラインで求められる本人確認強化と証跡管理を効率的に満たすことが可能になります。
この方法のメリットは、次のように整理できます。
- 導入がシンプル:既存環境に大きな変更を加えず、現場負担を最小化できます
- ログオン履歴を自動記録:不正操作の抑止や監査対応に活用可能です
- 段階的なセキュリティ強化:SSO導入が難しい場合でも、まず第一歩として導入可能です
- システム間連携の検証が不要なため、安価に導入が可能。
PCログオン時の認証強化は、医療現場における「誰が・いつ・どの端末を使ったか」を確実に把握できる、現実的かつ実行可能なセキュリティ対策です。
SmartSESAME PCログオンという解決策

医療現場でのSSO導入の難しさや、複数システムの認証管理の課題に対応する現実的なソリューションの一例が、株式会社シーイーシーの「SmartSESAME PCログオン」です。
この製品は医療機関向けにも設計されており、小〜中規模病院でも既存環境のまま導入可能で、SSOが難しい環境でも段階的にセキュリティを強化できます。ログオン時に本人を確実に認証できる仕組みを備え、現場運用を妨げずにガイドライン6.0の要件を満たすことが可能です。
- 多要素認証対応:ICカード、パスワード、生体認証など柔軟に選択可能
- Active Directory連携:一元管理で運用工数を最小化
- 共有端末にも柔軟対応
- ログ取得・エクスポート機能:監査や不正操作の抑止に活用可能
ICカードや生体認証でPCセキュリティを強化「SmartSESAME PCログオン」
まずは“入り口”から始めるセキュリティ対策
医療現場の多くが「すべてのシステムを統一・連携させること」に限界を感じています。だからこそ、まずは入り口である端末ログオンの認証を確実にすることが、実現性と効果の両面で最適な第一歩です。SSOだけが解ではありません。多要素認証で“人を確実に認証する”仕組みを構築することが、ガイドライン対応と現場運用のバランスを両立する鍵です。
関連記事はこちら
関連サービス
ICカードや生体認証でPCセキュリティを強化「SmartSESAME PCログオン」




