Edge IEモードサポート期限終了!不具合解消に向けた根本的な対策とは?
2022年6月、Windows 10における Internet Explorer(IE)のサポート期限が終了しました。
後継のMicrosoft EdgeやGoogle ChromeではIEモードが提供されていますが、IEモード自体も2029年にサービス提供が終了します。
そのため、IEサポート/IEモード提供終了により発生する、Webアプリケーションにおけるさまざまな非互換への対応が必要となります。
実際に起きた不具合の例をあげながら、IE依存のアプリケーションを使い続けた場合のリスクや、対策についてご説明します。
2029年 Edge IE/IEモードサポート期限終了で対策が必要な理由
IEに依存するアプリケーションの一番の問題は、他ブラウザーとの非互換性です。
ブラウザーの設定をしていない場合、IEサポート期限終了後はIEではなくMicrosoft Edgeが無条件に起動されますが、他のブラウザーでは正常に稼働しないケースが多々あります。
加えて、Microsoft社も切り替えを勧告しているように、セキュリティの脆弱性も大きなリスクとなります。
現在、後継のMicrosoft EdgeやGoogle Chromeでは、IEモードが提供されています。IEに依存したWebアプリケーションはIEモードでの使用を続ければよいと考えるケースもあるのではないでしょうか。
しかし、IEモードは基本的にレガシーシステムに対する一時的な救済措置でしかありません。
また、Edge IEモード自体も2029年にサービス提供が終了するため、将来発生しうる課題を考えると、できるだけ早いうちに対策をしておくべきでしょう。
IEのセキュリティリスク回避について詳細はコチラ
IE依存のアプリをそのまま使い続けた場合に起こる非互換の例
IE依存のアプリケーションは、IE以外のブラウザーとの互換性に問題がある場合が多く、他ブラウザーで利用し続けた場合、「画像や文字の一部の表示が崩れる」「正常に表示・動作しない」などの問題が発生します。
実際に起きた不具合の例をご紹介します。
(1)ボタンの表示が途切れる
以下のIE依存アプリケーションでは、ボタンの表示が途中で切れてしまっています。
(2)ぶら下がりのタブが表示されない
以下は、本来表示されるべきタブが出現しなくなった例です。
下記の図を見ると、赤枠内には何も出現していません。本来、赤枠内にあるべきタブが表示されないため、ユーザーにとってはアプリケーションの機能を利用できない状態になります。
(3)クリックに反応しない
こちらは、クリックに反応しなくなったケースです。本来は、文字列をクリックすることで画面遷移が行われるのですが、クリックしても何も変化がありません。
こういった非互換が引き起こす問題を解消するために、すべてのページに対して動作確認を含めた検証と対策が必要です。改修が必要な画面数は数百ページに及ぶこともあり、対応は簡単ではありません。IEサポート期限が終了した今、IE依存のシステムを早めに改修することが必要です。
Edge IEモードは一時的な救済措置!IE依存のアプリをIEモードで使い続けた場合に起こる非互換の例
IEモードはInternet Explorerを、Microsoft Edgeなどで再現するモードです。
基本的にIEモードはレガシーシステムに対する一時的な救済措置のため、非互換による不具合が起こることも稀にあります。その後のアップデートで不具合が解消されることもありますが、対応されるまで待つ必要があるケースもあります。
(1)IEモードで閲覧することでサイトの表示崩れが発生する
Microsoft EdgeをIEモードにしている状態で、IEでの表示をサポートしていないアプリケーションを使用する時、表示崩れが起こるケースがよくあります。例えば、IEモードを許可した状態でMicrosoft Edge向けに作成されたWebページを閲覧すると、正常に表示されなくなることがあります。
ブラウザを変更したりIEモードを切り替えることで、この現象を回避することは可能です。
しかし、その都度設定に手間がかかるため、根本的に解決するためには、IE依存のアプリ改修をおすすめします。
(2)アップデートなどの影響でIEモードが起動しなくなることがある
EdgeやWindowsのアップデートによってIEモードが突然使用できなくなるケースがあります。その際、パッチが配布されて解消されることもありますが、それまで待つ必要が出てくることも。
対応まで時間がかかることや、将来的にIEモードのサポートが終わることを考えると、IE依存を脱却した環境に移行するほうが望ましいと言えるでしょう。
(3)開発者ツールが使用できない
IEモードではページのソースコードなどの確認に使う開発者ツールが使えないよう制限がかかってしまいます。 そのため、開発者ツールを使用したい場合はIEモードを解除して使用する必要があります。
しかし、ブラウザを変更したり、IEモードをその都度切り替えるなど手間がかかってしまいます。
(4)IEモードの終了時期は2029年を予定
Microsoftによると、Edge IEモードは少なくとも2029年まではサポートが提供される予定です。明確な日付は分かりませんが、念のため2028年いっぱいまでは利用できると考えておくと安心です。
ただし、IEモードの需要が予想よりも早めに低下した場合、状況によっては早期打ち切りになる可能性も想定されます。予断を許さない状況ではあるので、対応できていない場合は早急に改修を検討し、IE自体から脱却できるようにしておくことが望ましいでしょう。
効率的なブラウザー移行とは
実際の移行対応には、上述のような現状の不具合を踏まえたうえで、コストや、期間、手法などを検討しなくてはなりません。実際には各アプリケーションの仕様に従って、運用を止めない移行の方式など、具体的な設計をする必要があります。
詳しくは、こちらの記事で、各社の事例をもとに紹介しています。
Edge IEモードは2029年に終了!IE依存のアプリ改修に向けて、現状把握のための調査を!
非互換によるさまざまな不具合を解消するためには、第一にIE依存のアプリケーションやWebシステムの現状を知ることが必要です。
しかし、IE依存のアプリケーションは長く使用されていることが多く、複雑であったりブラックボックス化していたりと、調査には時間と労力がかかります。
また、基幹システムなど、さまざまなシステムと連動しているIE依存のアプリケーションを検証・確認するのは大変な作業です。
そこで、不具合について調査するアセスメントサービスの利用がおすすめです。アセスメントサービスでは、現行のブラウザーシステムを調査し、修正が必要な箇所を把握できます。
アセスメントサービスの流れ
事前ヒアリング
現状を正確に把握するため、ヒアリングシートによる、お客様のアプリケーション資産情報の提供。
修正箇所の調査
IE依存のWebアプリケーション改修の実績を持つ専門チームがアセスメントを実施。修正箇所の特定と重要度を可視化。
移行インパクトの分析
Webアプリケーション改修の移行方式、他改修項目、サポート切れ製品のバージョンアップ要否、モバイル対応要否も精査。
ご報告・ご提案
アセスメント結果のご報告と今後の移行対応のご提案、シーイーシーにて継続したご支援が可能です。
※画像はイメージです
このプロセスを自社で行うことは難しいものです。IEモードのサポート期限終了が迫る今、ぜひアセスメントサービスをお早めにご検討ください。
まとめ IE/IEモードはサポート期限終了!IE依存アプリの改修は早急に
今回ご紹介した通り、IEサポート期限終了後もIEに依存したアプリケーションを使い続けると多数の不具合が生じることが考えられます。IEサポートが終了した今、IE依存のアプリケーションへの対応は急務となっています。
まずはアセスメントを行って、他ブラウザーとの非互換性による問題点を把握する必要があります。その後の対応として、根本的に解決するためにはマイグレーションが必要です。さらに、既存システムのメインフレームを変えるモダナイゼーション(老朽化したICT資産を最適に変革すること)へと進むのもよいでしょう。
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【関連動画】脱IE! Internet Explorerからのブラウザー移行。<課題解決編>
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