Visual Basic 6.0(VB6)を使い続けるリスクとは?業務システムの移行判断と対処法

VB6で構築した業務システムを使い続けるリスクと、移行判断を進めるためのポイントを解説します。
Visual Basic 6.0(VB6)で開発された業務システムを、現在も利用している企業は少なくありません。販売管理、在庫管理、生産管理、請求、受発注、検査・計測など、長年の業務運用に合わせて改修されてきたVB6システムは、現場に深く定着しているケースがあります。
一方で、VB6の開発・保守環境、WindowsやOffice、帳票、外部システム、周辺機器を取り巻く環境は変化し続けています。「次回のPC更新やWindows 11への移行後も使えるのか」「障害や法改正への対応を続けられるのか」「保守担当者がいなくなったらどうするのか」といった課題を抱える企業も少なくありません。
VB6システムは、現在問題なく稼働しているからといって、将来にわたって安定利用できるとは限りません。問題が起きてから移行を始めると、十分な現状調査やテストを行えないまま、短期間・高コストでの対応を迫られるおそれがあります。
未来図編集部まずは、継続利用によってどのようなリスクが生じるのかを把握しておきましょう。
本記事では、VB6を継続利用するリスク、移行を検討すべきタイミング、Windows 11などの環境更新時に確認すべき項目、VB.NETやWebシステムなどへの移行方針を整理する方法を解説します。
- VB6を使い続けることで生じる、業務停止・保守・人材・属人化のリスク
- OS更新や周辺環境の変化に備えて、事前に確認しておきたい項目
- VB6の移行を検討すべきタイミングと、移行判断を進めるための対処法


ICT未来図 編集部
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VB6(Visual Basic 6.0)とは?現在も業務システムで使われている理由
VB6(Visual Basic 6.0)は、Microsoftが提供していたWindowsアプリケーション開発環境です。画面を操作する業務アプリケーションを比較的短期間で開発しやすいことから、1990年代後半から2000年代にかけて、多くの企業で基幹業務や部門業務のシステムに採用されました。
現在もVB6で開発されたアプリケーションが利用されている背景には、単に古いシステムを放置しているという理由だけではありません。現場固有の業務ルール、帳票、取引先とのデータ連携、周辺機器との接続などが長年にわたり組み込まれ、日々の業務に定着しているためです。
VB6が企業システムに残りやすい理由
- 販売・生産・在庫・出荷・請求など、自社業務に合わせた機能が長年の改修で蓄積されている
- 帳票、Excel・Access、CSV・EDI、データベース、バーコードリーダー、計測機器などと連携している
- 利用者が操作に慣れており、現場の業務フローがシステムを前提に構築されている
- システムが稼働しているため、移行の必要性や優先度を判断しにくい
VB6は現在も使えるが、継続利用には確認が必要
VB6で開発されたアプリケーションは、現行のWindows環境でも動作する場合があります。そのため、VB6を利用していることだけを理由に、すべてのシステムを直ちに停止・移行しなければならないわけではありません。
ただし、企業が確認すべきなのは「アプリケーションが起動するか」だけではありません。OS・端末の更新、帳票やOffice連携、外部システムとの連携、周辺機器、保守担当者、障害発生時の復旧手順まで含めて、今後も業務を安定して継続できるかを判断する必要があります。



VB6システムの課題は、古い開発言語を使っていること自体ではなく、業務に必要な機能を将来も安全かつ安定的に保守・改修・復旧できるかという点にあります。
VB6のサポート終了で企業が確認すべきこと
VB6を利用している企業では、「サポートが終了しているなら、すぐに利用できなくなるのではないか」と考えることがあります。しかし、実務上は、VB6の統合開発環境(IDE)、アプリケーションの実行環境、OS、Office、データベース、帳票ツール、周辺機器などを分けて確認することが重要です。
VB6 IDEのサポート終了が意味すること
VB6の統合開発環境(IDE)は、すでに公式サポートが終了しています。そのため、VB6で新規開発や大規模な改修を継続する場合、開発環境の維持、ライブラリやコンポーネントの管理、障害時の原因調査、対応できる技術者の確保などに課題が生じやすくなります。



また、現行システムのソースコードがあったとしても、ビルドに必要なOCX・DLL・帳票ツール・データベースドライバー・設定ファイルなどが揃っていなければ、改修や再配布ができないことがあります。
アプリケーションが動くことと、保守できることは別問題
VB6アプリケーションが現在の端末で動作している場合でも、障害時や業務変更時に保守・改修できるとは限りません。たとえば、担当者の異動や退職、委託先との契約終了、設計書の不足、ソースコードや開発環境の未整備などが重なると、軽微な修正でも影響範囲の調査に時間がかかる可能性があります。
企業としては、稼働可否だけでなく、次の観点を確認しておくことが重要です。
- 最新版のソースコード、設計書、運用手順書が保管されているか
- ビルド・配布・障害対応を行える環境が残っているか
- VB6と現行業務の両方を理解する担当者がいるか
- 帳票、外部連携、周辺機器、データベースへの依存関係を把握しているか
- 障害時の代替業務と復旧手順を用意しているか
VB6アプリケーションはWindows 11でも動作するか
VB6アプリケーションがWindows 11で動作するかは、個別の実装や周辺環境によって異なります。アプリケーション本体が起動する場合でも、帳票出力、Excel・Access連携、ActiveX・OCX・COMコンポーネント、データベース接続、プリンター、バーコードリーダー、計測機器などで問題が発生する可能性があります。
そのため、Windows 11への移行やPCの入れ替えを予定している場合は、「起動確認」だけで判断せず、実際の業務シナリオに沿って、画面操作、帳票、バッチ処理、ファイル連携、外部連携、周辺機器まで含めた動作検証を実施することが重要です。
Windows 11で一部機能が利用できない状態が、本番切り替え後に判明すると、出荷・請求・生産・在庫などの業務停止につながるおそれがあります。OS更新の直前ではなく、余裕を持って影響範囲を確認しましょう。
VB6を継続利用するメリットと、移行を検討すべき理由
VB6システムを利用している企業にとって、移行は必ずしも簡単な選択ではありません。長年利用してきた業務システムには、現場に合わせた機能や運用ノウハウが蓄積されており、直近の移行コストを抑えられるという側面もあります。
一方で、継続利用のメリットは、将来にわたる保守性や安全性を保証するものではありません。短期的なコストだけでなく、障害時・環境更新時・業務変更時の影響を含めて判断することが重要です。
| 継続利用のメリット |
|---|
| 現場の操作や業務フローが定着している |
| 既存の業務ロジック、帳票、連携機能を活用できる |
| 直近の移行費用や利用者教育の負担を抑えられる |
| 当面の業務要件を満たしている場合がある |
| 継続時に考慮すべき限界・リスク |
|---|
| 担当者の異動・退職により、業務仕様や運用ノウハウが失われやすい |
| OS、Office、帳票ツール、外部連携、周辺機器の更新で影響を受ける可能性がある |
| 問題発生後の緊急移行では、調査・開発・テストの費用が増えやすい |
| 法改正、取引先要件、セキュリティ基準、業務変更への対応が難しくなることがある |
「現在動いていること」と、「将来も保守・改修・復旧を続けられること」は別の問題です。全面移行を直ちに決める必要はありませんが、継続リスクの確認と移行方針の整理は早めに進めることが重要です。
VB6を使い続けると何が起こる?企業が把握すべき主なリスク
VB6で開発された業務システムが現在も稼働している場合、ただちに利用を停止しなければならないとは限りません。しかし、VB6システムを取り巻くOS、端末、外部コンポーネント、保守体制、業務要件は変化し続けています。
問題が発生してから対応を始めると、短期間での改修や移行を迫られ、費用・期間・業務影響が大きくなる可能性があります。



まずは、継続利用によってどのようなリスクが生じるのかを把握しておきましょう。
OSや端末の更新時に、業務システムへ影響が出るリスク
Windowsのバージョンアップ、PCの入れ替え、Office製品の更新、プリンターや周辺機器の変更などは、VB6アプリケーションの動作に影響を与える可能性があります。アプリケーション本体が起動できたとしても、帳票出力、Excel・Access連携、ファイル入出力、データベース接続など、一部の機能で問題が起こるケースがあります。
特に、古いActiveX・OCX・COMコンポーネントや独自の周辺機器連携を利用している場合は、現行環境での動作確認や代替手段の検討が必要です。



端末更新をきっかけに業務システムが利用できなくなると、現場業務の停止につながるおそれがあります。
障害対応や機能改修が難しくなるリスク
VB6の統合開発環境(IDE)は、すでにサポートが終了しています。開発環境を維持できていたとしても、障害発生時の原因調査、法改正や取引先要件に伴う改修、データ連携仕様の変更などに、安定して対応し続けることは簡単ではありません。
また、過去に複数の担当者が改修を重ねているシステムでは、ソースコードの構造が複雑化し、仕様書と実際の動作が一致していないこともあります。障害が起きてから初めて影響範囲を調査する状態では、復旧までに時間がかかる可能性があります。
- VB6 IDEはすでにサポートが終了しており、開発・改修環境としての安定運用を前提にしにくい
- 法改正、業務変更、取引先からの要請などによる改修が必要になった際、対応できる体制を確保しにくい
- 古い開発支援ツールやコンポーネントに依存している場合、改修作業そのものが難しくなることがある
保守人材の不足と属人化が進むリスク
VB6を扱える技術者や、現行システムの業務仕様を理解している担当者が限られている場合、保守体制は特定の個人に依存しやすくなります。



担当者の異動・退職・委託先との契約終了などが発生すると、改修や障害対応を引き継げないおそれがあります。
特に、設計書や仕様書が更新されていない、ソースコードの保管場所が分からない、運用ルールが担当者の経験に依存しているといった状況は注意が必要です。システムが動いている間に、業務ルールや連携仕様を整理しておくことが、将来の保守・移行リスクを抑えることにつながります。
帳票・外部連携・周辺機器を維持しにくくなるリスク
VB6の業務システムには、画面や業務ロジックだけでなく、帳票出力、Excel・Accessとの連携、CSV・EDIなどのファイル連携、データベース接続、プリンター、バーコードリーダー、計測機器などが組み込まれている場合があります。



これらはアプリケーションのソースコードだけを見ても把握しきれないことがあります。
連携先の仕様変更、Office製品の更新、ドライバーの提供終了、機器の入れ替えなどによって、特定業務だけが利用できなくなる可能性もあります。
セキュリティ対策や監査対応に負担がかかるリスク
業務システムを継続利用するには、OS、端末、ネットワーク、データベース、利用するコンポーネントを含めたセキュリティ対策が必要です。VB6アプリケーション自体だけでなく、古いOSやサポートが終了した周辺ソフトウェアを前提としている場合には、脆弱性対応や社内のセキュリティ基準への適合が難しくなる可能性があります。



そのため、VB6システムを利用している場合は、利用端末のOS、ネットワーク分離、アクセス権限、データの保護方法、外部接続の有無などを定期的に確認し、必要に応じて環境面の対策と移行計画を検討することが大切です。
VB6システムは、すぐに移行しなければならないのか
VB6システムが稼働しているからといって、すべてのシステムをただちに移行しなければならないわけではありません。実際には、業務上の重要度、利用している端末・OS、外部連携や周辺機器の状況、保守担当者の有無、将来の業務変更の予定などを踏まえて、優先順位を判断する必要があります。



ただし、問題が発生してから短期間で移行する場合、十分な現行調査やテストができず、費用増加や業務影響につながる可能性があります。
そのため、現時点で移行時期を決めていない場合でも、まずは継続利用のリスクを整理し、必要な対策や移行方針を検討しておくことが重要です。
継続利用の可否は個別に判断する
継続利用の可否は、「アプリケーションが起動するか」だけでは判断できません。業務停止時の影響、保守担当者の有無、OS・端末更新の予定、外部システムや周辺機器との連携状況、今後の業務変更などを確認し、自社の状況に応じて判断する必要があります。
重要業務を担うシステムや、障害時に代替手段がないシステムは、移行の実施時期にかかわらず、早めに現状調査と移行方針の整理を始めることをおすすめします。
移行の優先度が高いシステムの特徴
以下の項目に複数当てはまる場合は、VB6システムの継続利用に伴うリスクが高まっている可能性があります。
ただちに全面移行が必要とは限りませんが、現行資産・連携先・保守体制を調査し、延命策と中長期的な移行方針を整理することをおすすめします。
- OS・PC・Office製品の更新を予定しており、現行環境での動作確認ができていない
- VB6の開発・保守を担える担当者が限られている、または不在である
- 設計書・仕様書・ソースコードが十分に整理されていない
- 帳票、外部システム、周辺機器などへの依存が大きい
- 法改正、業務変更、取引先要件などにより、今後改修が必要になる
- 停止すると売上・生産・出荷・請求・在庫・顧客対応などに大きな影響が出る
複数の項目に当てはまる場合は、VB6システムの継続利用に伴うリスクが高まっている可能性があります。直ちに全面移行を決める必要はありませんが、まずは現行資産や周辺環境、保守体制を整理し、対応の優先順位を検討することが重要です。
VB6移行の優先順位や対象範囲の整理にお悩みの方へ


「どのVB6システムから確認すべきか分からない」「Windows更新を控えているが、影響範囲を把握できていない」「VB.NET移行・Web化・延命策を比較したい」といった場合は、まず現行資産と周辺環境を整理することが重要です。
VB6マイグレーションの事例や移行時の検討ポイントを資料で確認したい方は、以下をご覧ください。
VB6継続リスクの確認チェックリスト
以下の項目に当てはまるものが多い場合、VB6システムの継続利用に伴うリスクが高まっている可能性があります。
移行の優先順位や、当面必要な対策を検討しましょう。
- VB6のソースコードが最新版として保管されていない、または所在が不明である
- 設計書・仕様書・運用手順書が十分に残っていない
- 改修や障害対応を行える担当者が一人しかいない、またはいない
- 利用端末・OS・Office製品のバージョンを把握できていない
- ActiveX・OCX・COMコンポーネントの利用状況を把握できていない
- 帳票・外部システム・周辺機器との連携内容を把握できていない
- 次回のPC・OS更新時期が未定、または影響調査ができていない
- 障害発生時の代替業務や復旧手順が用意されていない
VB.NETへの移行事例を確認したい方へ
VB6システムの移行では、現行資産の調査、帳票や外部連携への対応、個別改修、業務シナリオに沿ったテストが重要です。既存業務への影響を抑えながらVB.NETへ移行した事例を、資料でご覧いただけます。


VB6継続リスクへの対処法|移行判断を進めるために行うこと
VB6システムのリスクに備えるためには、いきなり移行開発を始めるのではなく、現行資産や業務への影響を整理し、短期・中長期の対策を分けて検討することが重要です。
現行資産・業務・連携先を棚卸しする
| 確認対象 | 確認する内容 | 移行判断への影響 |
|---|---|---|
| アプリケーション資産 | アプリ数、画面数、帳票数、バッチ処理、ソースコードの有無 | 対象範囲、調査工数、移行方法の検討材料になる |
| 開発・保守環境 | VB6 IDE、ライブラリ、OCX・DLL、ビルド手順、配布手順 | 改修・障害対応を継続できるかを確認する |
| 業務・利用部門 | 利用者数、業務重要度、停止時の影響、代替業務の有無 | 移行の優先順位を判断する |
| 外部連携・帳票 | Excel・Access、CSV・EDI、API、帳票ツール、取引先連携 | 単純変換では対応できない個別改修の把握につながる |
| 周辺機器 | プリンター、バーコードリーダー、計測機器、独自ドライバー | OS更新・移行後に業務機能を再現できるかを確認する |
| インフラ・データベース | OS、端末、DB、ネットワーク、アクセス権限、バックアップ | 短期的な延命策と中長期の更新計画を検討する |
まずは、対象となるVB6アプリケーションの数、画面・帳票・バッチ処理の規模、利用部門、利用者数、業務上の重要度を整理します。さらに、データベース、外部システム連携、Excel・Access連携、ActiveX・OCX・COMコンポーネント、周辺機器、ソースコード・設計書の有無なども確認します。
棚卸しを行うことで、「優先して対応すべきシステムはどれか」「どこに移行上の難所があるか」「移行前にドキュメント整備が必要か」といった判断がしやすくなります。
短期的な延命策と中長期的な移行計画を分けて考える
直近のOS更新や端末更新に備えるための動作検証、ネットワーク分離、アクセス権限の見直し、バックアップの整備、障害対応手順の作成といった短期的な対策が必要になる場合があります。
一方で、中長期的には、現行資産の調査、移行対象の優先順位付け、移行先・移行方式の選定、段階的な置き換え、テスト計画の策定などを進めます。



緊急対応と将来に向けた移行計画を混同せず、並行して整理することが大切です。
移行先・移行方式を比較する
VB6システムの移行先は、VB.NETへのマイグレーションだけではありません。既存機能を活かして.NET環境へ移行する方法、C#など別言語へ移行する方法、Webシステムとして再構築する方法、パッケージ製品やSaaSを活用する方法、一部機能から段階的に置き換える方法などがあります。
移行先を選ぶ際は、単純な変換しやすさだけでなく、業務要件、将来の拡張性、利用者の働き方、保守体制、周辺システムとの連携、移行にかけられる期間や予算を踏まえて比較する必要があります。
VBアプリケーションのWeb化を検討したい方はこちら


VB.NETへの移行は有力な選択肢の一つ
VB6で構築された業務システムを、既存の業務ロジックや画面構成を活かしながら段階的に移行したい場合、VB.NETへのマイグレーションは有力な選択肢の一つです。.NET環境へ移行することで、現行のWindowsアプリケーションとしての利用形態を維持しながら、保守・改修・外部連携・将来的な拡張を見据えた基盤へ移行しやすくなります。



ただし、VB6とVB.NETは名称が似ていても、開発・実行の仕組みが同一ではありません。
ActiveX・OCX、帳票、Office連携、外部システム、周辺機器、独自APIなどを利用している場合は、自動変換だけで完了しないため、個別の調査・改修・テストが必要です。
| 項目 | VB6 | VB.NET |
|---|---|---|
| 主な実行基盤 | VB6ランタイムを利用したWindowsアプリケーション | .NET Frameworkまたは.NETを利用したアプリケーション |
| 開発・保守環境 | VB6 IDEはサポート終了 | Visual Studioと.NETのサポート方針に沿って運用 |
| 主な開発モデル | 従来型のWindowsクライアントアプリケーション | オブジェクト指向を含む.NETベースの開発 |
| 移行時の留意点 | ActiveX・OCX・帳票・外部連携・周辺機器などの確認が必要 | 現行機能の再現、個別改修、業務テストが必要 |
また、利用者の働き方を変えたい、拠点・社外からも利用したい、他システムとの連携を強化したいといった要件がある場合は、C#への移行、Webシステムとしての再構築、パッケージやSaaSの活用も比較対象になります。
移行先は「VB6から変換しやすいか」だけで決めるのではなく、現行資産、業務要件、利用環境、保守体制、予算、将来の拡張計画を踏まえて選定することが重要です。
VB6マイグレーションの進め方を知りたい方へ
VB6システムの継続リスクを整理した後は、現行資産の調査、移行対象の選定、移行先・移行方式の比較、変換・改修、テスト、本番切り替えまでを計画的に進める必要があります。
VB6からVB.NETへ移行する一般的な進め方、自動変換だけでは完了しない理由、費用・期間を左右する要因については、以下の記事で詳しく解説しています。


■ 変換ツールと手作業を組み合わせた移行のイメージ


変換ツールは移行作業を効率化する手段の一つです。実際には、帳票・外部連携・コンポーネント・周辺機器への対応や、業務シナリオに沿ったテストが必要になります。
VB6から.NET環境へ移行する際の構成イメージ
VB6システムの移行では、アプリケーションだけでなく、OS、利用しているコンポーネント、データベース、帳票、外部連携、周辺機器などを含めた構成全体を確認することが重要です。
| 現行環境の例 | 移行後環境の例 | |
|---|---|---|
| クライアントアプリケーション | VB 6.0 ActiveX・OCX VB 6.0ランタイム | VB.NETまたはC# .NET対応コンポーネント .NET Frameworkまたは.NET |
| OS・端末環境 | 旧来のWindows環境 | サポート対象のWindows環境 |
| DBサーバー | Oracle Database、SQL Serverなど | 現行DBの継続利用または更新・移行を検討 |
| 周辺要素 | 帳票、Office連携、外部連携、周辺機器 | 互換性確認、代替製品・方式の検討 |
移行方針の整理から導入まで、段階的に進める
VB6マイグレーションでは、いきなり変換・開発を始めるのではなく、現行資産の調査、移行方式の検討、影響範囲の確認、見積もり、変換・改修、テスト、導入という流れで段階的に進めます。まずは現行システムの状況を把握し、移行の優先順位や方針を整理することが重要です。


| 現状把握・移行診断 | ヒアリング、ソースコード、関連資料などをもとに、現行資産・利用コンポーネント・連携先・影響範囲を整理します。移行インパクトを可視化し、優先順位や移行方式を検討します。 | |
|---|---|---|
| 調査分析・POC | 対象システムの詳細調査を行い、非互換箇所、帳票、外部連携、周辺機器などへの対応方針を検討します。必要に応じてパイロット変換や検証を実施します。 | |
| 計画・見積もり | 調査結果をもとに、対象範囲、移行方式、対応内容、期間、費用、テスト方針を整理します。 | |
| 本格対応 | 変換・改修 | 変換ツールの活用と手作業による対応を組み合わせ、非互換箇所、API、帳票、画面、コンポーネント、外部連携などを移行します。 |
| テスト | 画面・帳票・バッチ・連携機能などを確認し、現行業務に沿ったシナリオでテストを実施します。 | |
| 導入・運用 | 本番切り替え後の安定稼働を確認し、必要に応じて運用・保守を支援します。 | |
Visual Basic 6.0(VB6)に関するよくある質問
- VB6は現在も使えますか?
-
VB6で開発されたアプリケーションを現在も利用している企業はあります。利用を続けること自体が直ちにできなくなるわけではありませんが、OS・端末更新、保守人材、帳票、外部連携、周辺機器、セキュリティ対策などを含めて、安定利用を継続できるかを確認する必要があります。
- VB6のサポートは終了していますか?
-
Visual Basic 6.0の統合開発環境(IDE)の公式サポートは終了しています。そのため、VB6で新たな開発や大規模な改修を継続する場合には、開発環境の維持、技術者の確保、障害時の対応などに注意が必要です。
- VB6はWindows 11でも動作しますか?
-
VB6アプリケーションの動作可否は、アプリケーションの実装、利用しているActiveX・OCX・COMコンポーネント、帳票、Office連携、データベース、周辺機器などによって異なります。アプリケーションが起動するかだけでなく、必要な業務機能を継続利用できるか、障害や改修に対応できるかを個別に確認することが重要です。
- VB6システムは、すぐに移行しなければなりませんか?
-
すべてのVB6システムをただちに移行しなければならないわけではありません。ただし、OS・端末の更新予定、保守担当者の不足、設計書の未整備、外部連携や周辺機器への依存、障害時の業務影響などを確認し、移行の優先順位を早めに整理することをおすすめします。
- VB6の後継・移行先にはどのような選択肢がありますか?
-
VB.NETへのマイグレーションは有力な選択肢の一つです。ただし、移行先はVB.NETに限られません。既存資産、将来の業務要件、Web化の必要性、保守体制、外部システムとの連携などに応じて、C#、Webシステム、パッケージ製品やSaaSなども検討対象になります。
- VB6からの移行では、最初に何を確認すべきですか?
-
まずは、VB6アプリケーションの数、ソースコードや設計書の有無、利用部門、業務重要度、帳票、外部連携、周辺機器、データベース、保守担当者の状況を整理します。アプリケーション本体だけでなく、周辺環境を含めて棚卸しすることが、適切な移行方式や優先順位の判断につながります。
- VB6システムの移行費用は、何によって決まりますか?
-
VB6移行の費用は、単純なソースコードの量だけでは決まりません。画面・帳票・バッチ処理の規模、ActiveX・OCX・COMコンポーネント、外部システム連携、データベース、周辺機器、現行資料の整備状況、求める業務再現性、テスト範囲などによって変わります。まずは現行資産と周辺環境を調査し、対象範囲と対応方針を整理することが重要です。
- VB6のソースコードがない場合でも移行できますか?
-
ソースコードがない場合でも、画面や帳票、データベース、実際の業務運用をもとに再構築を検討できるケースはあります。ただし、現行機能や業務ルールを確認するための調査負荷が大きくなる可能性があります。実行ファイル、関連ファイル、帳票、データベース定義、利用者へのヒアリング、運用手順書など、残っている資産を早めに収集・整理することが重要です。
まとめ|VB6が動いている今こそ、継続リスクと移行方針を整理する
VB6で構築された業務システムが現在稼働していても、将来にわたって安定利用できるとは限りません。OS・端末の更新、Windows 11への対応、保守人材の不足、仕様の属人化、帳票や外部連携、周辺機器、セキュリティ対策など、複数の課題が重なることで、障害時や業務変更時の対応が難しくなる可能性があります。
すべてのVB6システムを直ちに移行する必要はありません。しかし、問題が発生してから対応を始めると、現状調査やテストが不足し、費用・期間・業務影響が大きくなりやすくなります。
まずは、ソースコードや設計書の有無、保守体制、利用端末・OS、帳票・外部連携・周辺機器、業務停止時の影響を整理し、自社に合った継続対策と移行方針を検討することが重要です。
VB.NETへの移行事例を資料で確認したい方へ


VB6の移行優先度や移行方式の整理にお悩みの方へ


VB.NETへの移行、Web化、現行環境の延命策のどれを選ぶべきかは、現行資産と業務要件によって異なります。VB6マイグレーションの事例や進め方を確認したい方は資料をご覧ください。自社の状況に応じた進め方を整理したい場合は、オンライン相談会をご利用ください。
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